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Re;En Ojima

就農とか 進路とか 農業とか

更新日:2022年9月25日


SNSをみているとたくさんの方が就農を目指してらっしゃいます。皆様それぞれに取り巻く環境がある中、農業を授業や一時的な研修しか体験していない場合は…

 1つ目に一般の会社員経験をする事をおすすめします。初任給の段階でプラスになる幅のほうが大きいです。そして商社や小売り、取引がある仕事がベストです。現在の日本は人口減少が加速しています。この状況下で誰かに何かを伝わるように伝えるスキルは相手方がいる会社員でなければ習得が難しい事といざとなれば交渉できるくらいのコミュニケーションスキルは必須だと思います。誰かかから何かを教えてもらう姿勢や聞き方のスキルも同じです。そして会社員の良いところも悪いところも理解した上で就農を選択すると比較的スムーズに事は運びやすいかと思います。なぜかと言うと初期投資を補助金や融資で賄えるほど甘くないからです。

まず全部自分で出来ない状況になるとどうしても販路に甘えが生じます。するとせっかく良い物を作れても生活の為に技術の大安売りをし言い値で取引をする構図が簡単に出来上がってしまいます。みんながそうしてるから私もそうする時代はもう終わっています。(サラリーマンは別ですがw)安くてもお金になる事と利益を出すことは意味が違います。ならばまず誰に何を提供したいかを整理し何の職業ならば可能か?から考えてもいいと思います。もしかしたら卸売りをするスーパーが適している可能性もありますし、全国の農家さんから好きな食材だけ集めて展開したほうが喜んでもらえるケースもあります。果物も扱うスイーツ店でご希望の品物が提供できるかもしれません。輸入業で世界の作物を扱うのも面白いですね。それに断然お金も貯めやすく、計画を確かなものにするならば一番の近道だと考えられるからです。それに社会保険も魅力的です。

 2つ目は天候です。近年の気候は誰がみてもへんてこです。ウェザーニュースはあてになりません。大雨や台風も訳のわからないタイミングでやってきます。私たちもいつも気が気ではありません。既存の農場や家業、商社や研究機関が運営している農場である場合を除き、もし個人が新規でビニールハウスを建てた翌年にどか雪や毎年くる何十年に一度の台風で半壊、全壊したらいくら保険に入っても良くて数ヶ月、悪くて数年作業できません。それはもうビジネスではなくなりゼロからやって採算が合わなくて当然です。リスクがかかりにくい作物を見つけたり、力をつけるための社会人経験は私的には必須で、もしダメになったとしてもスキルは残り潰しがききます。現に私は別業種の国家資格を持っていてお家の事は資金計画、設計、施工管理、原価管理、営業まですべてできます。今はこわくて家は売りたいと思いませんが…また別の機会に記事を書きます。

 因みに今年は私たちの生産している地域で雹害が発生しました。被害が多い農家さんでは4~6割が商品としての価値がなくなり災害保険に入っていたとしても収入が激減するだけでなく保険金が入るのが確定申告後の来年4月5月のお話です。暑い時期に背筋が凍るぞっとする話ではありません。嫌な汗をかく恐い話です。リエンでも被害を受けました。が毎年楽しみにして頂いている皆様に今年も無事提供させて頂いています。本年も皆様に美味しく召し上がって頂くために常に気を付けていることは雹害・霜害・害虫に左右されないようリスクヘッジを行っていることです。リエンにもあるワイルドな畑は思いっきりカメムシにいじめられ雹にコテンパンにされています(´;ω;`)…私が家業で農場や設備関係が整っていないなら農業には手を出していないかもしれません。そのくらい天候は脅威です。

 少なくとも以上の事を検討する必要は少なからずあります。社会人を経験する事で仕事や流れを理解できるようになりやすいだけでもメリットが大きいですし、取引先を作った上で就農できれば最高のスタートです。挨拶すらまともに出来ない農家さんも少なからずいるので一般常識を学ぶだけでもプラスにしかなりません。技術がどんなに優れていてもコミュニケーションが取れなければ商談どころか会話にすらなりません。家庭菜園を突き進めていたら収益につながるのもリスクが少なくとても良い例だと思います。なんといっても楽しく取り組めて趣味としても魅力的です。要はお金を出来るだけかけないで行う方法やリスクヘッジを考えられる事が重要だと考えています。

 それでもやりたいのであれば熱意でやるのもひとつです。人の辛さや痛みは経験しないとわかりません。出来れば辛いだけになってしまう苦労が事前に把握できるのであればして欲しくないです。そうなってしまうと自分だけでなくパートナーや子供達ご家族や友人も辛いです。基本は楽をするためにはどうするか?普通に暮らすためにはどうするか?です。余裕があって初めて美味しく作るためにはああしてみよう!こうしてみよう!のアイディアが産まれます。カラスと喧嘩する気になれます。大規模な農場を展開してお金をたくさん動かす事も出来ると思いますが毎年リスクと隣り合わせです。潤沢な資金があれば私だったら他の方法をとります。未だに興味が持てないので掘り下げるつもりはありません。

…というのもひとつの考え方です。持っている情報で進む方向性が全く変わるのも事実です。それにニュースででているマスカットが中国でつくられているとかコシヒカリがアメリカで生産されているとか…資源がない日本が自分の国の産物を輸入するという出鱈目な話すら現実味を帯びている始末です。故に造る作物も検討する必要もあります。それには広い視点で事を見つめる能力も身に着けて損はないなと思う今日この頃でした。

まだまだ暑い日が続いています。皆様お体に気を付けてご自愛ください。

枝の間から見える夏空は私のお気に入りです。


関東の恵まれた立地・土壌の生産地である茨城県下妻市で農園を営んでいるRe;En:リエンです。恵まれた育成環境で行う計画的な圃場管理ですくすくと育てられた果実を市場では手にする事が出来ない美味しさで皆様にお届けいたします。                       

Re;En 小島

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